ボイスドラマ
TVなどで放映されるいわゆる「ドラマ」がきわめてさまざまな性別、年齢層に一般的に真相しているのに対し、ボイスドラマはいわゆる腐女子やオタクなど、きわめて限定的な層のみにしか浸透していない点がいわゆる「ドラマ」とは異なる点の一つである。それはやはり「音声」のみで物語を表現するという行為自体、かなり表現の幅が束縛されるため、「ドラマ」ほどの大衆性を獲得できなかったのである。そのため、当初はラジオなどで放送されるラジオドラマくらいしかこの分野の需要はなかった。
しかし現在、ボイスドラマはいまや同人の一分野としてカテゴライズされるほどの普及を見せた。その背景としてあげられるのが、近年の声優ブームである。エヴァンゲリオンなどに始まったアニメブームにより、当初は全く意識されなかった声優という分野に注目が集まり、声優に関心を持つ、またはそれを志す若者が急増した。
しかし、声優の供給が増える一方でアニメや吹き替えなどの需要はそう簡単には増えず、そのため、そういった声優の供給のはけ口としてボイスドラマが注目されるようになった。特にアニメや吹き替えと比べるときわめて安価に、そして製作に際し大きな手間を必要としないため、アマチュアを中心に急速にこの分野は普及した。
だが、ボイスドラマに注目した層は、主にアニメから声優に関心を持ったという若者がほとんどで、しかも男性よりも女性のほうが役者を志す者が多かったという背景があり、ボイスドラマの題材として取り上げられるジャンルは固定化した。つまり、いわゆる腐女子向けの作品、特にBL系、美少年系のジャンルが現在でもボイスドラマの題材として取り上げられることがほとんどである。
最近はこの分野の普及により、男性向け、たとえば美少女系や学園モノ、果てはエロ系などといった題材も取り上げられるようにはなったものの、依然として女性向けの題材が大半を占めている。
また、この分野の大きな特徴として、たとえば同人誌であれば、書き手と読み手、同人音楽であれば作品を発表する側、作品を鑑賞する側、といった風に発信する側と受信する側との境界がはっきりしているのだが、ボイスドラマにおいては、作品を発表する側が鑑賞する側に回るのはもちろんだが、鑑賞する側も多くが作品を発表する側に回るということがきわめて多い。つまり、発信する側と受信する側の双璧がほとんどないことが特筆すべき点である。したがって、ファン同士の交流が他の同人の分野と比べてきわめて親密である。また、即売会等において人気の役者に群がるファンたちは、実はほとんどが何らかの作品に出演していたり、その即売会で作品を発表している役者だったり、といったことも往々としてある。


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